【大量殺人の現場】2001年9月の火災発生時点の雑居ビル「明星56ビル」について

史上最悪の大量殺人の現場となった東京・歌舞伎町の雑居ビル「明星56ビル」について

概要(建物・沿革)

  • 構造・規模:地下2階/地上4〜5階表記の資料が混在するが、いずれも耐火構造・延床約500㎡クラスの小規模雑居ビル(建築面積約83㎡、延床約498〜516㎡)。屋内階段は1か所のみ。
  • 竣工まで:1984年8月に建築確認、同年10月着工、1985年11月22日に使用検査(竣工)。用途は各階とも店舗として計画。
  • その後の経緯:2001年9月1日に火災(死者44名)。民事和解を経て2006年に解体。

所有者・運営者(2001年9月時点)

  • 建物所有者:有限会社久留米興産(所在地:東京都千代田区)。当時の社長は山田一夫。公的資料・報道は「久留米興産が所有」と明記。
  • 実質的オーナー(実質経営者):瀬川重雄。火災後の刑事・民事手続において「久留米興産の実質的オーナー」として名指し。
  • 事件後の訴訟・和解:遺族側との民事訴訟は最終的に被告側支払総額約8億6800万円で終結(2007年3月2日)。

テナント(火災当時の各階)

以下は、火災発生時点(2001年9月1日)の用途・店名の整理です。資料間で表記差がある箇所は注記しています。

  • 地下2階:飲食店・機械室(ニュークラブ・レイン)
  • 地下1階:遊技場(カジノ・パラダイスクィーン)
  • 1階:事務所等(ナイタイ・ギャラリー)とする資料のほか、「無料案内所(センター)」とする記載もあり
  • 2階:事務所等(ナースイメクラ/セクハラクリニック)
  • 3階:遊技場(ゲーム麻雀「一休」)
  • 4階:飲食店(キャバクラ「スーパールーズ」)

補足:3階「麻雀一休」および4階「スーパールーズ」に在館者が集中。出火は3階エレベータ付近からとされ、3階16名・4階28名が死亡(計44名)。

管理実態(火災前の体制)

  • ビル全体で統一的な防火管理は行われておらず、防火管理者の選任は地下2階「ニュークラブ・レイン」と3階「一休」のみ。
  • 自衛消防訓練は2000年2月に上記2テナントで1回実施にとどまり、消防計画は各テナントで未作成・未届。
  • 屋内階段は1本で、踊り場等に可燃物やロッカーが置かれていたほか、防火戸の閉鎖不良などにより避難動線が阻害された。

参考(所在地・基本データ)

  • 所在地:東京都新宿区歌舞伎町1丁目18−4(明星56ビル)
  • 建築面積:約83.07㎡/延床:約497.65㎡
  • 建築確認:1984年8月/着工:1984年10月/使用検査:1985年11月22日

補足・注記

  • 1階テナントの表記(ナイタイ・ギャラリー/無料案内所)は資料により差があるため、原資料単位の照合表を別途作成可能。
  • 必要であれば、登記・営業許可の変遷、所有権移転(2006〜2007年の跡地売買)などの詳細整理も対応可能。